2008/02/08

メンタルヘルス不全者への早期対応について

メンタルヘルス・ウェブログ

うつ病を中心とするメンタルヘルス不全者にとって本人及び周囲の家族や職場の人間による、異常への早期発見と処置が大切であるということは言うまでもありません。
うつ病でみられる言動や態度の変化としましては・・・
  • なんとなく元気が無くなり口数が少なくなる
  • 理由のはっきりしない欠勤が増える
  • 食欲の減退
  • 深刻な表情で「疲れた」と訴える
  • 後悔ばかりし、自身を失い自己卑下するようになった
  • 決断や判断がつかず迷うことが多くなった


上記に挙げたメンタルヘルス不全者の言動や態度の変化、全般的に共通するポイントは、「なぜ、そう思うのか周囲には分らない」という点。
つまり身内に不幸があったから元気が無いとか、前日の飲みすぎが持ち越されて判断力がおちて業務に支障をきたしているとかでありますと、はっきりと理由があるから不調であると・・なるんでしょうが、歯が抜けたから会社を辞めたいとか死にたいとか・・常識的に考えて周囲の人間には「なぜなのか分らない」と直感的に感じさせる当事者の変化を見逃さないことが重要であるはずです。

さらに、職場におけるメンタルヘルス不全者や、家族のうつ病の早期発見に関して認識しておくべきポイントは・・
「気づく」ことが大切であるということです。
身体における異常は医療機関における専門的検査が必要でありますが、心の異常はそうではありませんよね・・・。
メンタルヘルス不全の診断においては血液検査やレントゲン検査によって異常が発見されるのではなく、医師や専門家ではない上司や同僚ならびに家族の者が、言動や態度の変化によって見抜くことができるという点です。

ところで・・
うつ病等を発症した場合・・身体的不調を訴える場合も多く、それを理由として病院で受診するケースもありますが、かかりつけの内科医等では初期の段階で適正なうつ病の診断を下す例が、諸外国と比較すると低いようです。

以下、自殺総合対策大綱における基本認識及び基本的考え方より引用
<うつ病の早期発見、早期治療のための取組>
  いわゆるメディカルモデルといわれる取組である。
 第一に、うつ病の人は、身体的な不調が出ることも多く、内科等のかかりつけの医師に最初にかかることが多い。しかしながら、専門外の医師がうつ病を適正に診断することは難しく、世界保健機関の調査によれば、我が国の一般医のうつ病診断率は、19.3%となっている(第2-1-10図)。このため、臨床研修等の医師の養成課程における精神科医療教育の充実、自殺の危険性の高いうつ病患者を発見する機会の多いかかりつけの医師等に対する研修によりうつ病等の精神疾患の診断・治療技術の向上を図ることが重要である。


したがって、初期の段階における良好な治療の立ち上げを目指すがごとく、内閣府における自殺対策白書の中に<うつ病の早期発見、早期治療のための取組>という項目があり、自殺に繋がりかねない異常の早期対応の中心的役割を果たす人材育成といった指針が掲げられています。

しかしながら、職場でのメンタルヘルス不全者や家族の、うつ病の早期対応について重要な考え方は最も生活の中で身近な存在である者たちによる「気付き」でもあると感じるところであります。









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