2008/01/22

精神障害の労災認定>業務上外における判断指針

メンタルヘルス・ウェブログ/ posted by レオン

労災認定を受ける人々が急増しているのは周知の事実の通りですが、精神疾患に関わる労災請求件数は1983~2003年の21年間において1586件、内自殺請求は626件とのこと。最近の請求内容の傾向としては、1999年に公表された心理的負荷による精神障害(対象疾病は全ての精神障害とは言っても殆んどが感情障害と神経症性障害)に係わる業務上外の判断指針が公表されてからは一気に増加しています。

▼心理的負荷による精神障害内訳
F0症状性を含む器質性精神障害
F1精神作用物質使用による精神および行動の障害
F2精神分裂病、分裂病型障害および妄想性障害
F3気分〔感情〕障害
F4神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
F5生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
F6成人の人格および行動の障害
F7知的障害(精神遅滞)
F8心理的発達の障害
F9小児〈児童〉期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、詳細不詳の精神障害


心理的負荷による精神障害に係わる業務上外の判断指針によると
以下の三点を総合的に評価し判断されます。
>業務による心理的負荷
>業務以外の心理的負荷
>個体側要因


業務上の判断要件については・・
>対象疾病に該当する精神障害を発病していること。
>対象疾病の発病前6ヶ月間に客観的に該当精神障害を発病させるおそれのある業務により強い心理的負荷が認められること。つまりは発病前6ヶ月間にて精神状態を病的に悪化させる程の強いストレスを担当業務により受けていたと客観的に認められること。
>業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害が発病されたのではないと認められること。つまり、業務以外のストレスや個人的要因により発病したわけでは無いこと。
これらの判断要件を満たした上で総合的に評価対象となる。

▼業務上の心理的負荷の評価方法・・・
職場における心理的負荷評価表(31項目)を用いて心理的負荷(ストレス強度とも言う)の強度(Ⅰ~Ⅲに分類されている)を評価する。
その心理的負荷評価表で「強」と判断されるなら精神障害を発病させる程の負荷がかかっていたと判断される。

1.大きな病気や怪我をした
2.悲惨な事故や災害を体験した
3.交通事故を起こした
4.労災の発生に直接関与した
5.重大な仕事上のミスをした
6.事故の責任を問われた
7.ノルマ未達成
8.新規事業や再建担当になった
9.顧客とトラブルがあった
10.仕事内容・量の大きな変化があった
11.勤務・拘束時間が長時間化した
12.勤務形態に変化があった
13.仕事のペース、活動に変化があった
14.職場のOA化が進んだ
15.退職を強要された
16.出向した
17.左遷された
18.不利益扱いを受けた
19.転勤した
20.配置転換があった
21.自分の昇格・昇進があった
22.部下が減った
23.部下が増えた
24.セクハラを受けた
25.上司とトラブルがあった
26.同僚とトラブルがあった
27.部下とトラブルがあった
28.理解者が異動した
29.上司が変わった
30.昇進で先を越された
31.同僚の昇進・昇格があった、

▼業務上外の心理的負荷の評価方法・・・
職場以外の心理的負荷評価表を用いて評価される

離婚又は夫婦が別居した
自分が重い病気やケガをした又は流産した  
自分が病気やケガをした
夫婦のトラブル、不和があった   
自分が妊娠した    
定年退職した    
自分以外の家族・親族の出来事 配偶者や子供、親又は兄弟が死亡した    
配偶者や子供が重い病気やケガをした    
親類の誰かで世間的にまずいことをした人が出た    
親族とのつきあいで困ったり、辛い思いをしたことがあった    
家族が婚約した又はその話が具体化した    
子供の入試・進学があった又は子供が受験勉強を始めた    
親子の不和、子供の問題行動、非行があった    
家族が増えた(子供が産まれた)又は減った(子供が独立して家を離れた)    
配偶者が仕事を始めた又は辞めた
多額の財産を損失した又は突然大きな支出があった    
収入が減少した  
借金返済の遅れ、困難があった    
住宅ローン又は消費者ローンを借りた  
天災や火災などにあった又は犯罪に巻き込まれた    
自宅に泥棒が入った  
交通事故を起こした  
軽度の法律違反をした  
騒音等、家の周囲の環境(人間環境を含む)が悪化した    
引越した    
家屋や土地を売買した又はその具体的な計画が持ち上がった    
家族以外の人(知人、下宿人など)が一緒に住むようになった    
友人、先輩に裏切られショックを受けた    
親しい友人、先輩が死亡した    
失恋、異性関係のもつれがあった    
隣近所とのトラブルがあった

▼個体側要因の評価方法・・・
精神障害の既往歴・社会適応状況(生活史)・アルコール等依存状況及び性格傾向(性格特徴上の偏り)について検討される




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