2007/05/23

メンタルヘルス 用語メモ

私的・・・精神保健の知識メモクリップ

うつ病・・・
心 理的要因やストレス、疲労などさまざまな原因により、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどのバランスが崩れて脳の機能障害が起き、意欲の減退や判断力の低下といった精神症状のほか、睡眠障害や頭痛、肩凝りなどの身体症状が出る。元気がなくなり、それに伴い意欲や行動力も低下する心の病のこと。仕事のミスや人間関係、失恋などによって憂鬱になり、いつまでたっても元気が出ない状態をうつ状態といい、うつ状態が長引いてしまう(一般的には、2週間~1カ月)とうつ病になる。うつ病になると、「自分は価値のない人間なんだ」「何をやっても楽しくない」などと考えるようになったり、何事に対しても不安や焦りを感じ、行動できなくなったりする。また、肩こりや不眠といった身体的な症状も見られるようになる。薬を服用しながら休養を取るなどの通院治療 で治る場合もあるが、症状が重かったり自殺する危険性がある場合は入院が必要となることもある。うつ病は単なる落ち込みとは違い、自分だけの努力ではどうにもならない病気なので、治すためには周りの人の理解と協力が必要になる。


季節性うつ病・・・
ローゼンタールによって提唱された概念で、日照時間が少なくなる秋から冬に限って、うつ状態になり、春から夏になると自然に軽快する「うつ病」のことをいう。一般に緯度が高くなるほど多くなる傾向があるようである。毎年その季節になると、うつ症状が現れる。特に冬に多く、日照時間が短くなると発症しやすく、症状としては、抑うつ状態に陥って焦燥感、不安感、不快感などに襲われるとともに、根気や活動性が低下し、体の不調を訴える。日中から夕方にかけて強い眠気に襲われたり、あるいは眠りすぎて睡眠過剰になったりする「過眠」の状態や、糖質を過剰に摂取したりする「過食」の症状も見られることが特徴的。

仮面うつ病・・・
うつ病でありながら、うつ病が持つ精神的症状が現れず、単なる身体的疾患に見えてしまう特殊なうつ病の一種。この病気にかかると、「頭痛」「肩こり」「腰痛」「疲労感」「めまい」「食欲不振」といった症状がでるものの、うつ病本来の精神的症状はあまり見られないため、専門家でもうつ病であると気づくのに時間がかかることも少なくない。本来の精神的症状が、身体的症状に隠れてしまうためにこの名がつけられた。この「仮面うつ病」という名称は正式な医学用語ではないが、近年の患者の増加に伴い、精神科領域では非常に重要視されている。

躁病・・・
感情・意欲・思考などが異様に高揚した状態が続く、うつ病と対を成す精神疾患の一つ。躁状態の特徴としては、「口数が多い」「感情は爽快」「思考のテンポが速い」「異常なまでに感動したり、腹を立てたりする」「声が大きい」「自信過剰」「高慢」「尊大」「不眠」「食欲亢進」「性欲亢進」「月経障害」「1日に何十万円もの買い物をする」「何時間も続けて話をする」「計画を次々に立て、次々に放棄する」などが挙げられる。また、必要以上に行動的になり、人間関係も強迫的かつ積極的。絶えず何かをしていないと気がすまないため、自分の健康を害してまで、何かをし続ける。うつ病と躁病の症状が交互にあらわれる「躁鬱病」という疾患もある。

自傷・・・
自分で自分の身体を傷つける「行動障害」の一つ。自傷行為。自ら頭を壁や床にぶつける、髪の毛を引っ張る、頭や顔などの身体部位を叩く、噛む、引っ掻く、爪をはぐ、などして出血や青あざなどの外傷を行うことをいいます。周囲の人間には痛々しく感じられ、酷くなると、自分で傷口を広げ化膿させたり、顔面殴打で失明など、悲惨な状態になりかねません。

強迫観念・・・
強迫観念は、自分では無意昧なことだとわかっていても、ある考えや行為にとらわれてやめることができなくなる。繰り返ししつこく頭にこびりついている考えや、衝動(急になにかをしたくなる)や、イメージで、不安や恐怖、不快感を引き起こすもの。取り払おうと思ってもなかなか取り払うことができない。例えばデパートの屋上にいたとして「ここから落ちたら」という考えが頭に浮かんだとすれば、普通はすぐに消えてしまうような、こうした想念がくり返し浮かんでは消えたり、頭の中を占領してしまい、他のことが考えられなくなる。

被害妄想・・・
自分が他人から危害を加えられているという妄想。何らかの犯罪的な干渉を受けていると信じ込み、事業や就職などにおいて失敗しても、他者からの攻撃で失敗したと考えたり「脳内に何らかの機器を埋め込まれ、意識や行動を操作されている」と考えたりする。妄想の初期は一様に「周りの世界が何となく変にみえる、みんなが私に変なそぶりを見せる」などと感じるようである。これがやがて「周りの人たちが私に悪意を持っている」「私だけをのけものにしようとしている」というような被害妄想へと発展するが、この被害妄想にもさまざまなタイプの症状があり、 ・自分は回りの人に操られ、考えを吹き込まれて行動していると思うようになる「影響妄想」 ・誰かに常に見られているように感じる「注察妄想」 ・常に追われている感覚に陥る「追跡妄想」 ・食事の味がおかしい、誰かに毒を盛られる(殺される)と思い込む「被毒妄想」などがある。

パーソナリティ傾向・・・
ストレスチェックをする際に使われる概念で、個人によって異なる物事の受け止め方や感じ方、反応のパターンなどの傾向のこと。ストレスチェックにおいて、この点数が高い=物事の受け止め方に自信がない、常に不安が付きまとっている、一定の信念がない、自分自身への不信感が強い、他人の視線・評価が気になるといった場合は、パーソナリティが不安定ということになり、メンタルヘルス不全になりやすくなる。訓練により、パーソナリティ傾向が安定すると、ストレスへの耐性が強くなり、メンタルヘルス不全になりにくくなる。

メンタルヘルス不全・・・
ストレスなどにより、精神的に障害を持ったり、心のバランスが崩れるなど精神不調のこと。メンタルヘルス不全には、うつ病や自律神経失調症、ノイローゼ、心身症、人格障害、さらには統合失調症などといった精神疾患・精神不調などが総合的に含まれ、一般的に「心の病」といわれるものすべてを指す。精神不調に陥った人にとって、「うつ病」などと病名で呼ばれるよりも、「メンタルヘルス不全」と言われるほうが、心の負担は軽くなる。

適応化傾向・・・
ストレスチェックをする際に使われる概念で、集団や組織への適応性や、新しいシステムへの順応性の傾向のこと。ストレスチェックにおいて、この点数が高い=集団への適応能力が低い、自分の殻に閉じこもって引きこもりぎみになる、感情がコントロールできずにすぐカッとなる、常に強い不安や焦りを感じる、寂しさや見捨てられ感を持っているといった場合は、集団に溶け込む能力に欠け、人間関係にトラブルを引き起こしやすい。ストレスをなくし、ヒューマンスキルを向上させる訓練を行うことにより、適応化能力は上がり、メンタルヘルス不全になりにくくなる。

群集心理・・・
群集心理とは、普段は普通の人間が集団になることで判断力が低下し、興奮性が強くなり、衝動的・無責任的な言動をとるようになることをいう。この群集心理が始めて研究対象として上がったのは、フランス革命。ごく普通の一般市民が、大勢押し掛けて、怒濤のごとくにいっきに高揚感を得ると、個人だけではとても考えられないような残虐なことも平気でやるようになってしまう。どうして群集心理がおこるのか。それについてはいろいろな説があり、もっとも有力なのが「感染説」というもので、観念や情操や意欲は無意識のあいだに、個人個人に伝わっていき、それによって残酷な行為も行ってしまうのではないか、という説。

セルフケア・・・
厚生労働省が策定した「心の健康づくり計画」に示されている四つのケアのうちの一つで、ストレスに対して、自分自身で対処していくことを指す。仕事上で自分に関係する不満や問題点を抜き出し、「自分にとって、何がストレスになっているのか」「それらの問題を解決するためにはどうしたらいいのか」と考えたり、改善策を行動に移していくことでストレスに対する心の負担を減らし、心のバランスをコントロールしていく。これらのほかにも、お風呂に長く入ったり、映画を見たり、散歩をしたりといった息抜きを図ることも立派にセルフケアになる。

ヒューマンスキル・・・
職場における良好な人間関係の構築や社外でのコミュニケーションなど、対人接触するために必要となる重要なスキルのこと。最近の若手社員にはこのヒューマンスキルが欠けているとよく言われるが、中堅社員と呼ばれる社員にも欠落していることが多く、社員教育の最重要課
題にしている企業も多い。このスキルの欠乏は、対人関係において誤解を招いたり、自分の印象を悪くしてしまうだけでなく、言いたいことを言えないことによる不満や相手の言うことを鵜呑みにしてしまうことによる問題発生など、様々なストレスを生む原因になる。

テクニカルスキル・・・
仕事上の専門分野を完璧に遂行する知識・技術のこと。例えば、システムエンジニアであればプログラムに関する知識やパソコン操作技術、経理担当者であれば会計や簿記の知識など、その分野によって内容は大きく異なる。テクニカルスキルは生涯かけて自分で磨いていけるものであり、ヒューマンスキルとは、まったく違った意味で、職務上重要なスキルと言える。このスキルが高いと、自信喪失や自己評価の低下といったメンタルヘルス不全の要因が起こりにくくなる。

コンセプチュアルスキル・・・
物事を理論化・体系化できる能力、すなわち「概念化」できる能力のこと。例えば、ある専門分野における知識や技術そのものを「テクニカルスキル」とするならば、そのテクニカルスキルを分かりやすく説明したり、図表やグラフを使ってまとめたりできる能力が「コンセプチュアルスキル」と言える。単なる知識の羅列に過ぎなかったものを自分の中で理解し、分解し、再構築するこの能力が身につくと、仕事をマニュアル化したり、部下に分かりやすく仕事を説明したりすることができるようになる。すると、仕事の幅が広がり、より大きな視点で仕事に臨むことができ、余裕が持てるようになる。「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」と合わせた三つの能力を場面に応じて的確に使える人は、総じてメンタルヘルス不全になりにくいと言われている。

拡散的思考・・・
拡散的思考とは、与えられた情報からさまざまな新しい情報を作り出す思考法。創造的思考を働かすときに大きな役割を果たしています。つまり、新しいものを創り出したり、創造的な課題の解決法を見つけ出したりする能力のことで、創造性はこの拡散的思考と密接に関係しているといわれている。様々な可能性について多くの答えを出し、その中からよりよい解答を探す過程、ということになり、一方、収束的思考とは、特定の正情報を見出すのに必要な諸情報が与えられていて、それらを論理的に正しくつなぎ合わせることによって、正情報を見出す過程になる。

認知行動療法・・・
認知行動療法はアメリカのアーロン・T・ベックという人がつくった精神療法で、抑うつ的なものの見方のゆがみを浮き彫りにし、それの感情や行動との関係に患者自身が気づき、検証し修正することを援助して症状の緩和をはかるもをいう。うつ病の治療法として研究・開発されましたが、今ではパニック障害、不安・怒りなどの感情問題、ストレス関連の障害、対人問題、各種依存症、摂食障害、統合失調症、など認知のあり方に関わる問題全般に適用されて成果をあげているといわれている。問題の全てを解決することが目標ではなく、より適応性のある対処の仕方を体得し、「問題を処理できる」という感覚を増やすことを目標としています。つまり、技法を習得することによって当面の問題を改善するだけでなく、認知の歪みを修正する方法(スキル)を身につけ、自分の人生の質を高めることにあると思 われる。

トラウマ・・・
トラウマとは、生活上のある体験を原因とする重い心の傷、精神的な外傷であり、一般に「心的外傷」といわれている。外的内的要因による衝撃的な肉体的、精神的ショックを受けた事で、精神的に大きなダメージを受け、その出来事が無意識下に抑圧され、それが長い間、心の傷と成ってしまう体験の事を指す。

ドメスティックバイオレンス・・・
夫やパートナー等の親密な関係にある(あった)男性から女性に対してふるう暴力・虐待のこと。現在の夫や恋人だけでなく、前夫や元恋人、婚約者、また内縁関係にある男性などからの暴力を指す。長い間、家庭の中などの私生活で起こる暴力・虐待は、「見えない」問題であり、家庭は「愛情とやすらぎに満ちた安全な場所」だから暴力がおこるはずはないと、社会全体が考えてきた。家庭内のことはプライバシーで、他人や第三者が口出しをすることはできません。したがって、家庭の問題を外に持ち出すことは「家庭の恥である」などとみなされてきました。そのために、現実に起こっている暴力や虐待は(以下参照)隠されてきた感があります。 ・身体的暴力・・・殴る、蹴る、引きずりまわす、物を投げつける。 ・心理的暴力・・・大声で怒鳴る、罵る、脅す。 ・性的暴力・・・・・性行為を強要する、避妊に協力しない。 ・経済的暴力・・・生活費を渡さない、働きに行かせない。 ・社会的暴力・・・女性の行動の制限、友人に会わせない。政府の調査によると20人に1人の女性が生命に危険を感じる程の暴力を受けていたことが報告されている。暴力というのは本質的に理不尽なものであり、「安心」「自信」「自由」という人間らしく生きる権利を奪うものでもある。これは家庭内の個人的夫婦の痴話喧嘩という次元をはるかに越えた社会構造の中にあり、またジェンダー(社会的、文化的性差。いわゆる男らしさ、女らしさ)による不平等と関係するような価値観、伝統、習慣などが複雑に絡み合っていると考えられる。

対人関係療法・・・
対人関係療法では、重要な人との係わり合いに注目し、人間関係の問題点を整理していく。大切な人を失う喪失体験やお互いに分かり合えていると信じていた人とのコミュニケーション・ギャップ、結婚や出産、異動・昇進といった役割の変化、人間関係の欠如などがうつ病のきっかけになることから対人関係の問題を整理することから、うつ病の治療をめざすものです。カウンセラーは、対人関係上の心理的な助言をし、関係を改善するためにはどのようなコミュニケーションを図ればいいのか、などの具体的な方法を考え、これまでの対人関係の問題点を修正していく。

多重人格・・・
2つ以上の人格が現れる場合を「多重人格」と呼んでいる。多重人格とは「解離性同一障害」ともいい神経症のひとつと定義されています。個人の思考や記憶、感情、アイディンティティが統一性を失い、それぞれが独立して活動する状態になります。多重人格は満たされない欲求の人格化現象ということで、精神分析的にいえば、超自我の強い人の無意識の中に抑圧された欲求が分離し、独立した別の人格として意識の上に現れ、その願望を充足させようとする状態。

キッチンドリンカー・・・
キッチンドリンカーとは、アルコール依存症の女性を指す造語で、主婦が台所の片隅でお酒を隠れて飲むとこからこう言われている。最近では核家族化が進んでいるため、母親が1人で育児や家事に追われることも少なくなく、また・・育児に関して相談できる相手もなく、マニュアル本しか頼ることが出来ずに育児ノイローゼになる若い母親も増加している。それと共に、子育てが終わって目標が無くなったための喪失感、家庭内の事情によるストレスなど、これらのことが原因でお酒でイヤな気分を解決しようと飲み始めるケースで20歳代後半から50歳代の主婦に多いと言われている。



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