2007/06/10

偏見

メンタルヘルス・ウェブログ

うつ病・・・僕は、この言葉が嫌いなんです・・・。病気そのものに対することではなく、「病名」が嫌いなんです。

「ちょっと、妻のうつ病がひどいもんで、先に帰るから・・・」なんて社内の人間には言えませんし、言ったこともないんです。「どうしたの?奥さん調子悪いの?」・・・と聞かれても、「うん、ちょっとね・・・」なんて感じです。「子供じゃないんだから、しつこく聞かないでくれよ・・・」ってな具合で「ちょっと」を多様し続けてきましたし、これからもそうかもしれません。さらに自分の娘にも詳しい説明等したことはありませんし、する気もないんです。大人になった時に思い出して理解すればいいし、理解できる優しい女性に成長してくれることを望んでいるんです。まして類のない大病と向き合って闘病生活をしている訳でもなんでもありませんからね!

でもね・・・「うつ病」という言葉の響きには、卑屈感を抱いてしまう・・・というのが正直な、僕個人の感想なんです。仕事の絡みで、一度だけこんな会話をした事があります。

同僚・・ 「おいっ、あの得意先の娘さん、うつ病らしいよ・・・どうりで・・・」

僕・・・・「へェ~、そうかい・・・」

これは1年位前の会話だったと思います。どれ位、前だったのかは詳しく覚えていない代わりに、会話の内容だけは、はっきりと記憶しているんです。また、会話の最中に「お前、そんな言い方するもんじゃぁ、ないよ!」って言い返したりしなかった事も、はっきりと記憶しています・・・。僕個人の感覚を世間様にスライドしてしまうのは、いけない事だとは思うんですが、「うつ病」という言い回しは「偏見」を同居させていると思ってしまうんです・・・。ですから、妻のうつ病に関する話をするのは身内と先生だけ・・・

井戸端会議で、ああだこうだと情報交換するたぐいの病気ではないと思うんです・・・。

「ちょっと、奥さん・・・あなた、うつ病なんだってね!それなら○○病院がいいわよ!」っなんて誰も言いませんよね・・・。それと知った瞬間に冷ややかに静観する行為が始まる・・・。だから、隠す・・・。これが、僕達の快適に暮らしてゆく為の手段なんです。以前、それは自己防衛・・・とコメントを下さった方がいましたが、まさにそうかもしれません。勿論、病気を公開し意見を主張する人だっています。繰り返しになるんですが僕個人の感覚を世間様にスライドしてはなりませんね・・・。

僕自身、家族が鬱を患うという事態に遭遇していなければ、多分・・・おそらく・・・きっと・・・もしかしたら・・・

「おいっ、あの得意先の娘さん、うつ病らしいよ・・・どうりで・・・」・・・と発言する側の人間であったかもしれません。人を中傷する機能は誰にでも付いてる機能ですからね・・・

同種の心の病気に苦しむ人々の数は加速していますよね・・・。



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